お盆とは?ご先祖を迎える風習の意味|迎え火・送り火・盆踊りの由来も解説
夏の風物詩として知られる「お盆」。毎年8月になると、帰省やお墓参り、盆踊りなど、家族と過ごす行事として定着していますが、「お盆って何のためにあるの?」「ご先祖様を迎えるってどういうこと?」といった素朴な疑問を持っている方も多いのではないでしょうか? この記事では、「お盆」の意味や由来、代表的な風習や地域差、現代の過ごし方までをわかりやすく解説します。
お盆とは?基本の意味と由来
お盆(正式には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」)とは、ご先祖の霊を自宅に迎え、供養する日本の仏教行事です。
一般的には8月13日から16日の4日間を指し、この期間中、霊がこの世に戻ってくると信じられています。
お盆の由来は仏教の教えから
語源はサンスクリット語の「ウランバナ(苦しみを救う)」に由来し、
お釈迦様の弟子・目連(もくれん)尊者が、亡き母を救うために供養を行ったという逸話に基づいています。
これが「お盆=ご先祖に感謝し、供養する期間」という日本独自の形となって広まりました。
迎え火・送り火とは?霊を迎えて送り出す儀式
お盆では、ご先祖の霊が迷わず帰ってこられるように「迎え火」を焚き、そして「送り火」であの世へと送り返します。
迎え火(8月13日)
- 家の門口で麻がらやおがらを焚くのが伝統的な方法
- 最近ではロウソクや提灯、玄関ライトなどで代用する家庭も
送り火(8月16日)
- お迎えした霊をあの世へ送り返すための火
- 京都の「五山の送り火」など、地域行事としても有名です
この火には「霊の道しるべ」という意味が込められています。
お盆にすること・過ごし方
1. お墓参り(墓掃除・献花・お線香)
お盆期間中には、お墓を訪れて掃除し、ご先祖様に近況を報告する習慣があります。
2. 精霊棚(しょうりょうだな)の準備
仏壇や精霊棚に果物・野菜・そうめん・ほおずきなどの供物を飾るのが一般的です。
中でも有名なのが「精霊馬(しょうりょううま)」:
- キュウリの馬:ご先祖様が早く帰って来られるように
- ナスの牛:帰るときはゆっくりと
という意味が込められています。
3. 盆提灯を飾る
家の中や玄関に盆提灯を灯すことで、霊が迷わず帰って来られるようにする風習です。
親族から贈られることも多く、「家族が迎える姿勢」を示す道具ともいわれます。
地域による違いと旧盆・新盆とは?
お盆の時期の違い
- 一般的なお盆(旧盆):8月13日〜16日(全国の多くの地域)
- 東京など一部地域の新盆(7月盆):7月13日〜16日(主に関東)
農作業や台風シーズンとの兼ね合いもあり、地域によって時期が異なります。
新盆(にいぼん・しんぼん)とは?
故人が亡くなってから初めて迎えるお盆を「新盆」といい、特別な供養を行う慣習があります。白提灯を飾る、親族が集まるなど、より丁寧に霊を迎えるのが特徴です。
盆踊りの意味は?なぜ踊るの?
盆踊りは、もともとお盆に集まった人々がご先祖の霊を慰め、供養するために踊ったものです。
現在では、地域の夏祭りとしての意味合いが強くなっていますが、本来は感謝や追悼の行為。輪になって踊る形式が多く、**「死者とのつながり」や「共同体の再確認」**を表す場でもあります。
現代のお盆の過ごし方|ライフスタイルに合わせて
- 帰省せずオンラインで供養や読経を依頼する家庭も増加中
- 自宅でできるミニ仏壇・精霊棚の活用
- 簡易精霊馬キットやLED盆提灯など、現代的アイテムも多数
- 海外在住者向けには「Zoom法要」など新しい形も登場
大切なのは形式よりも、「感謝の気持ちをもって先祖を思い出すこと」。
家族と語らう時間を持つだけでも、立派なお盆の過ごし方です。
まとめ|お盆は「命をつないでくれた先祖への感謝を形にする日」
お盆は、私たちのルーツであるご先祖様を思い、日々の暮らしの中に感謝の心を取り戻す機会です。
忙しい現代でも、その意味を理解し、自分なりのスタイルで心を込めて過ごすことが何より大切です。
今年のお盆は、家族や地域とのつながりを感じながら、静かに手を合わせる時間を持ってみてはいかがでしょうか?
written by

ブルズHQ編集部