花祭りとは?お釈迦様の誕生日と甘茶の風習をやさしく解説
お釈迦様の誕生日を祝う花祭り。甘茶をかける風習や誕生仏、行事の由来まで、春の仏教行事をやさしく解説します。
花祭りとは?──お釈迦様の誕生日を祝う仏教行事
花祭り(はなまつり)は、毎年4月8日に日本各地の寺院で行われる、お釈迦様の誕生日を祝う仏教行事です。正式名称は「灌仏会(かんぶつえ)」。
花で飾られたお堂「花御堂(はなみどう)」に、小さな誕生仏を安置し、参拝者が頭上から甘茶を注いで祝福します。仏教における感謝と再出発の節目として、昔から親しまれてきました。
花祭りの由来と歴史
花祭りの起源は古く、606年に元興寺(奈良)で行われたのが日本最初といわれています。中国から伝わった仏教行事であり、日本では春の花が咲き誇る時期に開催されることから、「花祭り」という親しみやすい名称が広まりました。
灌仏会という名前は、**誕生仏に甘茶を“灌ぐ(そそぐ)”**ことに由来しています。
甘茶をかける風習の意味とは?
お釈迦様の誕生にまつわる伝説では、「天から甘露の雨が降り注いだ」とされ、これを象徴して甘茶をかける風習が生まれました。
甘茶はアジサイの一種「甘茶の葉」から作られた飲み物で、ほのかな甘みが特徴です。花祭りでは、甘茶をかけるだけでなく、ふるまわれたり持ち帰ったりすることもあります。
花御堂と誕生仏とは?
花御堂は、お釈迦様が生まれた「ルンビニ園」を再現した小さなお堂で、色とりどりの花々で美しく飾られます。
その中央に置かれるのが右手を天に、左手を地に指した「誕生仏」。これは「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげ ゆいがどくそん)」と唱えながら生まれたという伝説に基づいています。
子どもにも人気のある行事で、地域のお寺では園児たちが行列を作って参拝する様子も見られます。
花祭りはいつ行われる?地域差にも注目
多くの寺院では4月8日に行われますが、旧暦で祝う地域や、ゴールデンウィーク中の5月8日頃に開催されることもあります。
春の行事として親しみやすく、桜やチューリップなど、地元の花々で彩られるため、訪れる人々の目も心も和ませてくれます。
現代に活かす花祭りの楽しみ方
- 地元のお寺で花御堂を訪れて甘茶を注ぐ
- 子どもに「お釈迦様の誕生日だよ」と教えてあげる
- 家庭で甘茶を楽しみながら仏教の話をする
- 仏教に限らず、命の誕生や平和を感じる時間にする
宗教的で堅苦しいという印象を持たれがちですが、**「いのちを祝う日」**と考えれば、どんな人でも大切にできる日です。
まとめ|春の花に包まれて、いのちを祝うひとときを
花祭りは、ただのお寺の行事ではありません。
春の花々に囲まれて、いのちの誕生と平和を感じる日として、私たちの日常にもやさしく寄り添ってくれます。
甘茶の香りに包まれながら、静かに手を合わせる——
そんな一日を、今年は過ごしてみてはいかがでしょうか?
written by

ブルズHQ編集部